脳神経外科について

琉球大学医学部脳神経外科では、主に髄膜種・神経膠腫・転移性脳腫瘍・神経鞘腫・聴神経腫瘍・下垂体腺腫などの脳腫瘍と、
脳動脈瘤・脳動静脈奇形などの血管障害、および顔面痙攣・三叉神経痛などの機能的疾患の診療にあたっています。
手術治療は、顕微鏡下開頭手術だけでなく、内視鏡手術、化学療法、定位的放射線治療などを組み合わせ、
患者様の生活の質を重視した集学的治療を行っています。
また、手術治療には脳機能を最大限に温存するために、術中の脳機能モニタリングや術前の大脳機能マッピングなどを取り入れ、
安全かつ有効的な手術療法を実践しています。
また、ナビゲーションシステムや血管内手術などの最先端の技術を駆使して、術中MRIやハイブリットCT-AG室を用いた手術の安全性を⾼める努⼒を続けております。

診療のご案内

琉球⼤学医学部脳神経外科にて扱うことの多い
疾患の⼀例です。

詳しく見る

脳腫瘍

  • 髄膜腫
  • 神経膠腫
  • 下垂体腫瘍
  • 悪性リンパ腫
  • 聴神経・前庭神経腫瘍
  • 転移性脳腫瘍

脳血管障害

  • 脳⾎管障害(脳出⾎、くも膜下出⾎、脳動脈瘤、頸動脈狭窄)
  • 脳動静脈奇形

機能性疾患

  • 顔⾯けいれん
  • 三叉神経痛

小児脳疾患

  • 先天性疾患
  • 脳⾎管障害
  • 脳腫瘍

その他

  • 頭部外傷
  • ⽔頭症
  • 脊椎疾患
琉球大学医学部 脳神経外科科長 石内 勝吾

脳神経外科科長のご挨拶

脳科学を基盤とする脳神経外科学の発展を⽬標に

琉球⼤学医学部脳神経外科学教室を代表し、ごあいさつ申し上げます。
初代 六川⼆郎教授(1975-1997)、2代 吉井與志彦教授(1997-2009)の後を受けて2009年6⽉に着任しました。
「脳科学を基盤とする脳神経外科学の発展」を⽬標に教室運営を⾏う所存です。私の臨床・研究・教育に関する考えを述べさせていただきます。

動画のご紹介

機能を温存した上で最大限の摘出を行い、患者様の社会復期を促進する。

臨床

脳腫瘍の蛍光診断やPET、MRSによる⽣物学的解析を基盤とした新しい⼿術法の開発を⾏っています。
基礎研究から得られた新しい⽣物学的知⾒を臨床の現場に翻訳し、新規治療法の開発と臨床研究を積極的に⾏う予定です。悪性脳腫瘍に対する放射線治療に関連しては、照射増感性の遊⾛阻害剤をX線と併⽤し重粒⼦線単独治療を凌駕する治療法の開発を⽬指しています。患者さんの気持ちを斟酌し、⼗分な情報提供と合意に基づく治療を⼼掛けます。

研究

疾患に関する本質的な理解を促し、根本治療につながる研究の推進を⽬標としています。
脳腫瘍、⾎管障害、⾼次脳機能解析、神経幹細胞の⽣物学的解析などをテーマにしています。基礎研究に限らず、臨床研究も積極的に⾏います。研究はBench(実験室)とBedside(病室)をつなげるものが原則です。⼤学院⽣は脳科学の⼿ほどきを受けることで、⼀⽣涯学問をし続ける態度を養うことが⽬標です。

教育

真の学問とは、未解決の問題に対して、自ら創造した新しい考え方を世界に示すことと考えています。また世の中でもっとも難しいことは、他者の考え方を変えることだと思います。自分では当たり前と思っていることでも、なかなか正確に相手に伝えるのは難しいものです。若い大学院の時代に自ら考えることを学び、頭脳の柔軟さを身につけ他者に対しても、自らの新しい考えを納得させることができるような研究者を育てることが目標です。